フェニックスという鳥を皆さんご存知ですか?
日本では不死鳥という名前で呼ばれることが多く
ゲームや物語でのキャラクターとしてや、東京の中でも異文化交流の多い新宿・渋谷・原宿でのショップやエンターテイメント施設で見かけた、知ったことのある方は多いのではないでしょうか。
しかし実際にどんな鳥をモチーフにしていて、どんな意味があるのかなど詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。
フェニックスという呼び名はラテン語での呼び方で、ギリシア語ではポイニクス、他にもフェネクス、フェニキス、日本では不死鳥という名で呼ばれることがあります。
そんなフェニックスの伝承には、500〜600年程生きた後自ら薪から燃え上がる炎に飛び込み、一度死を迎えますが再び蘇るとされています。
そのことから、死んだ後に復活するフェニックスはキリストの復活を象徴するものとなり、魂が不滅であることの証明として使われることもありました。
フェニックスがどんな姿をしているかは、その時代・場所により異なりますが、フェニックスの元となった鳥は、古代エジプトの神話に登場する、聖なる鳥ベンヌがその原型だといわれています。
古代エジプトの都市ヘリオポリス(太陽の都)では死後の復活を象徴する鳥であり、長い循環を繰り返す時の神でもありました。
そんなフェニックスを最初に西洋に紹介した人物が古代ギリシアの歴史家であるヘロドトスです。
ヘロドトスがフェニックスの姿をどのように紹介していたかというと、鷲に似た体型の、金色と赤で彩られた羽を持つ鳥と述べています。
ヘロドトスよりも後の時代を生きた著述家たちもフェニックスについて書き残しており、
1世紀ローマの博物学者プリニウスは『博物誌』の中で、鷲程の大きさで金色の冠毛に身体は真紅だが尾は青く、薔薇色の羽毛を持っていると述べています。
また3世紀〜4世紀の詩人ラクタンティウスは、フェニックスのくちばしは白く、全身は緑の宝石を散りばめたような姿だと述べています。
他にも異なる姿を述べている者がいますが、このようにフェニックスの姿や色だけ見ても著者によって全く異なるイメージなのがわかるかと思います。
時代と共に姿形も意味自体も少しずつ変化していくため、どの伝承が、どの姿が本物か等はありません。
何故かというと、フェニックス自体あくまでも伝説上の生き物だからです。
なので古代を生き、伝承を広めてきた人々の著作物を見て、意味や姿を知りそれをそのまま受け止めるも良し、
また、それらを知った上で自分なりの解釈に変化するのもいいのではないでしょうか。
今回のタトゥーのデザインは氷のフェニックスということで、紹介した炎や赤、金色を連想させるフェニックスとは真逆のデザインですが、だからといっておかしいデザインではないのです。
あくまでも伝説上の生き物、人により色も見た目も異なるのだから自分の好きな色や姿を考え、それをデザインに起こし、自分だけの伝説上の生き物に変化させるのも面白いのではないでしょうか。
新宿・原宿のタトゥースタジオ A-tattooでは、カウンセリングのみのご予約も可能なので是非ご相談ください。